梅雨

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「甘いの、苦手だよね?これ、砂糖控えめにしたから…」 こっそりと、別の包みを手渡す。 「………。」 驚いた様子で俺をガン見するリュウ。 (えっ!なんか、おかしかった…??) 「わざわざ、俺のだけ、別に…?」 「う、うん。ごめん、いらなかった…?」 「いる。……さんきゅ。」 そこまでしていらなかったかな…と心配したけど、いると即答された。 リュウは嬉しそうに笑って、俺の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。 お腹もいっぱいになったところで、ぞろぞろと皆で教室に戻る。 「ふぁ~眠っ。リュウ、次寝てたら起こして~。」 「知らねぇよ。」 「なんだよ冷たいなー。」 「クスクス… あっじゃあ僕、次は移動教室だからここで!晴くんクッキーご馳走さまでした!」 「あぁ。また部活で。」 途中で槙君と別れ、また4人で歩き出す。 「…次、何だっけ?」 「えっと、確か…「ハール先輩っ!」」 次の授業科目を思い出しながら歩いていると、ぬっと長い腕が俺に巻き付いてきた。 最初は驚いていたけど、2ヶ月も経つと慣れてしまった…。
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