97人が本棚に入れています
本棚に追加
/397ページ
「はぁ…… ゆ、佑斗君…」
「こんにちわ。」
俺が振り返ると、腕をお腹に巻き付けたまま、キラキラと爽やかな笑顔で挨拶する佑斗君。
あの、衝撃の告白を受けて以来…
彼は校内で俺を見かけるたびに、こうして絡んでくるのだ。
“これから、俺の事知って下さい”
それに了承した俺は、彼をむげにする事も出来ずに、いつも流されている…。
「ぅ、あの、いつも言ってるけど。いきなり抱きつかないでよ…」
「すいません。でも嬉しくてついやっちゃうんです…。」
そう言って、本当に嬉しそうに笑うから、つい許してしまうんだ。
「チッ…またお前か。ハルが困ってんだろが。さっさと離れろ。」
「そーだぞ!ハルちゃんを離せー!!」
「…離せ。」
「ちょっと、今日のパワーを充電させて下さい。」
リュウ達の言葉をスルーして、さらにぎゅうーっと抱きしめてくる。
1年生なのに、なんて度胸がある子なんだろう…。
(ぅわ…リュウの眉間の皺が深くなってるよ…)
俺の方がひやひやする。
「も、はっ離して!昼休み、終わっちゃうよ!」
もがいても、ビクともしません。
最初のコメントを投稿しよう!