1

11/12
前へ
/19ページ
次へ
直感で、それが小夜姫なんだと思った いつの時代か分からないけれど、それでも立派なものだと見て取れる服に身を包んでいる しかし、生き埋めにされたというのは本当らしく、目玉が腐り落ち、皮膚は所々腐乱していて、辺りには土となんとも言えない悪臭が漂っていた 『あはっ、あはははははは!!』 「!?」 いきなり止めろよ、ビックリしただろうが 『お前に…決めた』 小夜姫が俺に近付いてくる 冷たい汗が背中を伝う 後退りたいのに…足が動かない 『お前の…過去は…胸糞悪くて、最悪で…素敵だから』 「……」 こいつ… 『一つ、遊戯をしよう』 何で唐突にそんな提案されたんだ? 訳が分からない 「断る」 付き合う意味がない 「軽い気持ちでアンタの住みかに来てしまったのは、謝る だから、もう俺達を解放してくれないか?」 『…お前は…』 ん? 今、何か分からんが小夜姫凄く動揺したような… 『…遊戯の説明をしよう』 あ、駄目だ。聞く耳持たずだ 『お前は…私の世界で友を探し当ててもらう』 そう言うと、小夜姫は目の前に三人の姿を映し出した 三人とも、意識がない つーか、秀也てめぇさっきまでここに居ただろうが いつの間にそっち側行ったんだ 『安心しろ、ちゃんと生きておる…しかし、お前がこの遊戯を断るのなら、ただちに三人とも殺す』 「!!」 そんなもん、選択肢があって無いようなもんじゃねえか 「分かった。付き合ってやる…だけど、一つ教えてくれないか」 『なんだ?』 「どうして、俺なんだ?」 そこが分からない 『…お前がこの遊戯に勝つことができたら、教えてやる なに、お前の友を全員探し当てた時点で、元の世界に返してやるし、お前の勝ちだ ただし、もし見付けられなかったら、友も含めて、お前達はここから出る事は叶わない』 「あぁ、分かった…」 『一つ教えておいてやる 私の世界には、異形のものたちがそこら中を犇めいている もし見つかったら、命はないと思え』 嘘ぉ… 『怖くなったか?逃げ出しても良いのだぞ?』 ……。 「逃げるわけねえだろ」 『…やはりな それでは、死なないように精々足掻け』 そう言うと、小夜姫は消えてしまった …え?
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加