セーヌ川の畔に……

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`  見上げた志津子の顔は赤く染まった。 「絵一さん達は…… 今ごろどうしているのかなぁ…… 彼女……真弓さんって、 まるでブルドーザーのような人だったわよね。 曲がった道も凸凹の道も、真っ直ぐに平らにして行くような……」  志津子は小石を掴んで立ち上がると、   エーーィ! と、セーヌ川めがけて投げた。  小石はふっくらとした弧を描いてエッフェル塔を包み込み、 そうして小さなしぶきを上げて消えた。 「……うらやましいなぁ   彼女って……」 `
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