15人が本棚に入れています
本棚に追加
`
見上げた志津子の顔は赤く染まった。
「絵一さん達は……
今ごろどうしているのかなぁ……
彼女……真弓さんって、
まるでブルドーザーのような人だったわよね。
曲がった道も凸凹の道も、真っ直ぐに平らにして行くような……」
志津子は小石を掴んで立ち上がると、
エーーィ!
と、セーヌ川めがけて投げた。
小石はふっくらとした弧を描いてエッフェル塔を包み込み、
そうして小さなしぶきを上げて消えた。
「……うらやましいなぁ
彼女って……」
`
最初のコメントを投稿しよう!