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「小さい事でヤキモチ妬くんだな? オレの時なんて全然そんなの見せなかったのに」
ヨシはお弁当を平らげると、爪楊枝を歯に挟んだ。
「くだらないヤキモチだって分かってるよ? だから慣れるように努力はしているつもり。」
「相川から仕掛けてるなら、リューマも不可抗力なんだし」
「……分かってる」
ショボンとしてしまった私にヨシが言った。
「来週の火曜日に相川とオレとミユキとリューマでパワースポットを回る日帰り旅行に行くんだって。聞いた?」
「うん」
乗り気じゃないけど、行く事になってしまった。
「なんでこのメンバーなの? ヨシは相川さんとデキてるの?」
リューマと相川さんを一緒にして行く旅行なんて行きたくない。
「デキてるような仲じゃねーよ」
爪楊枝をくわえたままボソリと言った。
デキてたら、リューマにあんなにあからさまにアプローチしないか……。
「相川だけが、楽しそうに計画してるんだよな。」
リューマと一緒にいたいからなんじゃないの……。
急に仕事が入ったっていって、行くの辞めようかな……。
思い巡らしながら、スマホを鞄から取り出して、スケジュールを確認してみた。
来週火曜日はリューマの仕事も入っていなかった。
リューマにはまだ旅行の事言ってないけど、きっともう相川さんから聞いてるよね。
「温泉にも入るっていうし、オレはそこだけに食いついたけど」
「温泉……」
リューマ、温泉好きだから喜びそう。
「二人がイチャついて嫌なら、オレとイチャついて紛らわす?」
本気とも冗談とも取れる言い方をしたヨシは、全く私の気持ちの解決にならない提案
をした。
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