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本当のところ、リューマには感謝もしている。
アイツのおかげで、売り上げが落ちる事はなくなって、店長として数字で気をすり減らす事はなくなったのだから。
「店長さん、今日 何か撮影が、あるんですか?」
指名の女性のお客様のカットをしていると、そのお客様がチラチラ視線をリューマや撮影スタッフに向けていた。
「よくここで、広告の撮影をしてるんですよ」
最近よく同じ受け答えをしていたから
同じ質問をウザく感じた。
「あの方、ルイさんの彼女なんですか?」
カットしてる最中なのに、お客様は撮影している方を気にして頭を揺らす。
……切りにくい。
ミユキの事を言ってるのかと思ったら、見ると、どうゆうワケかリューマと相川が寄り添っているところをカメラマンが撮影している。
リューマの屈託のない笑顔の横に、相川がリューマの肩にもたれ掛かかっていて、カメラマンに写真を撮られている。
恋人同士みたいな設定なのか?
てゆーか、なんで相川まで一緒に撮影されてんの?
ミユキは何してんだと思ったら、少し離れた所で吉川さんと話をしていた。
時おり視線をリューマと相川に向けて、唇を噛み締めている。
きっと、胸の内は穏やかじゃないはず。
担当のお客様が終わると、
一人でカウンターにいるミユキの側に近寄って訊いてみた。
「なんで相川まで写真撮られてるの?」
「恋人同士の設定のCMの静止画撮影なの。
始めは私が相手役にって言われたんだけど、私、そうゆうの苦手だから、断ったらリューマが相川さんを指名して」
そうゆうと、唇を噛み締めて、予約表に視線を落とした。
明かに心穏やかではない様子のミユキ。
「なんで断るの? 相川にさせる事ないじゃん。いいの?あんなに見せつけられて?」
「私、写真撮られるの、本当に苦手だから」
だからって、リューマと相川がああやって顔を近づけたりしているのは、面白くないだろーに。
あーあ。
リューマって、本当にアホだな。
言った側からコレだもんな。
「本当は悔しいんだろ?」
「…………」
そう言葉を投げかけるとミユキは黙ったまま何も言わず、感情を押し殺していた。
リューマ
女のジェラシーの怖さを知らないのな。
いつか爆発するぞ、コレ。
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