39人が本棚に入れています
本棚に追加
私、リューマの奥さんでいられる事にうつつを抜かしてないで、
リューマに飽きられないように、
内助の功発揮しながら、女も磨かないとね!
会話をしながらサラッと皿洗いまでしてくれたリューマに、出来た夫だと内心感心しながら、洗面所に向かって
まだ洗っていなかった顔を洗う。
「ふぅー」
と息をついて、顔を上げ、タオルで濡れた顔を拭くと、鏡に映りこんだ自分の顔を見て、吹き出物を発見する。
「あ、やだー」
それと同時に下腹部の鈍痛に、『もしや』とトイレに駆け込めば、
やっぱりキタ。
生理になってしまった。
それを確認するとちょっぴり憂鬱モードに入る。
あーあ。 痛み止め飲んでおこう……。
「どうした? 急に、具合悪そうな顔して」
とっくに支度を終えたリューマがテレビの前のソファに座りながら、私を見上げた。
「きちゃった……」
それだけ言うとリューマは意味を察して、笑みを口元に湛えながら一言を告げる。
「昨日ヤっといて良かった!」
「…………」
私はその言葉をムシして、着替えるために
クローゼットがある部屋に向かう。
「昨夜、激しく打ちつけ過ぎたかもなー♪」
耳に入ってきた言葉が、リューマを夫として敬っていた気持ちを取り消しそうになった。
初めの頃、リューマを王子様の如く崇めていた自分が可愛かったな。
出会ってみると、リューマは思い描いていた人と全く違う人だった。
それはそれで、魅力的な男性には変わりなかったんだけど
こんなにエロい人だとは思わなかった。
私は重く感じる体を疎ましく思いながら、支度を済ませると
リューマとマンションを出た。
外は天気が良くて空気が澄んでいる。
紅く色づいていた葉っぱがヒラヒラと落ちながら街路を埋めていた。
それを掃きながら、通学中の小学生に声をかけるオバチャンにリューマは声をかける。
「おはよーオバチャン、毎朝ご苦労様! 最近、葉が落ちまくって掃くの大変でしょう?」
屈託ない笑顔を向けるリューマにオバチャンもテンション高めに笑顔を返す。
「おはよー、ルイくん。 オバチャン、ルイくんに会えるの楽しみで、毎朝お掃除頑張ってんのよ。いつもお二人仲良いわねー」
オバチャンはリューマを以前のルイで認識していた。
最初のコメントを投稿しよう!