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ーと、そんな事があり
3ヶ月が過ぎ、今に至る。
家事をせっせとこなすシーナを背に、
夕暮れの中、たそがれる俺。
ふと…、元の世界の事を思う。
父親、母親。
俺は一人息子だった。
今頃、どうしているだろうか?
心配しているだろうな…。
いい親だっただけに、心配をかけてしまっていることを気に病む。
「心配することはないよ♪」
「うわぁ!!」
突然、耳元で声がした。
驚きのあまり、軽く飛び退く。
その後、声の方へ視線を向けると、
そこには、半透明の白髪スーツ野郎が居た。
「な、な、な、なんでお前がここに居んだよ!?」
「何でって~君が痛々しそ~うな顔してたからだよ~♪」
俺…顔に出てたのか。
「元の世界の事が、気になるんでしょ?大丈夫♪ーーー元の世界では、君は消えた事になってるから♪」
この世界に来て、何度声に出しただろう…。
もう、大体の事には驚かなくなってきていたが、これはさすがに言わざるを得ない。
「…は?」
元の世界では、消えた事になっている?
「それって、行方不明とか、そんな感じか?」
「いや?ー最初から居なかったってこと♪」
………。
まぁいいかと、諦められたのは…。
その理由は、あえて考えないようにした。
「そーいえば君、この世界で3ヶ月間過ごして、この世界のこと、いろいろと分かったかい?僕はあえて説明しなかったんだけど。」
「あぁ…。この世界。なかなか面白い事になってんな。」
「おぉ!面白いと感じるとは!…、君はなかなかの実力者のようだね。」
ー皆様に、説明しなければなるまい。
この世界、アガルタの実状と
なぜ俺が面白いと言ったのかと言うことを。
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