第1章

10/13
前へ
/13ページ
次へ
ーーーーーーーーーー ーと、そんな事があり 3ヶ月が過ぎ、今に至る。 家事をせっせとこなすシーナを背に、 夕暮れの中、たそがれる俺。 ふと…、元の世界の事を思う。 父親、母親。 俺は一人息子だった。 今頃、どうしているだろうか? 心配しているだろうな…。 いい親だっただけに、心配をかけてしまっていることを気に病む。 「心配することはないよ♪」 「うわぁ!!」 突然、耳元で声がした。 驚きのあまり、軽く飛び退く。 その後、声の方へ視線を向けると、 そこには、半透明の白髪スーツ野郎が居た。 「な、な、な、なんでお前がここに居んだよ!?」 「何でって~君が痛々しそ~うな顔してたからだよ~♪」 俺…顔に出てたのか。 「元の世界の事が、気になるんでしょ?大丈夫♪ーーー元の世界では、君は消えた事になってるから♪」 この世界に来て、何度声に出しただろう…。 もう、大体の事には驚かなくなってきていたが、これはさすがに言わざるを得ない。 「…は?」 元の世界では、消えた事になっている? 「それって、行方不明とか、そんな感じか?」 「いや?ー最初から居なかったってこと♪」 ………。 まぁいいかと、諦められたのは…。 その理由は、あえて考えないようにした。 「そーいえば君、この世界で3ヶ月間過ごして、この世界のこと、いろいろと分かったかい?僕はあえて説明しなかったんだけど。」 「あぁ…。この世界。なかなか面白い事になってんな。」 「おぉ!面白いと感じるとは!…、君はなかなかの実力者のようだね。」 ー皆様に、説明しなければなるまい。 この世界、アガルタの実状と なぜ俺が面白いと言ったのかと言うことを。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加