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呆然とする意識。
めまぐるしく変化した状況に、頭がついていかない。
ついさっきまで、絶望の二文字を味合わされていたのに、気づいたらファンタジー世界。
訳が分からなすぎて、声も出ない。
そんな俺の目の前に、突然現れた…いや、
俺に向かって歩み寄ってきていたのだが、俺が気づかなかった。
小さくて、目がぱっちりとしており、少しウェーブがかった金髪の少女が…目の前に居た。
「何してるの?そんなアホみたいな顔して。」
「えっ…。」
未だ脳の回転は乱れたままで、言葉に詰まる。
少女は興味深そうに、俺を見ていた。
「君、この辺の人じゃあないよね。全然見ない顔だもん。もしかして…異国者?」
異国者。
たしかに間違いではないが。
どう説明しようか迷い、言葉が出ない。
「ねぇ、異国者なの?違うの?どっち?」
幼稚な声で質問を重ねてくる。
どうするか。
異国者だと答えたら、まずい事になりそうな気がして…。
「…異国者では…ない。」
細々と、そう答えて…しまった。
途端、
「やった!
じゃ、ガールフレンドになってあげる♪」
……、
「…。は?」
瞬間、
俺の頭の中に、
新たな記憶が書き加えられた。
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