第2話

30/40
2465人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「あ。やっぱり」 ガードレールに腰かけ、そう言葉を発したのは、カシミヤを使用したブラックのコートを身にまとう、長身の男性。 「……」 立ち止まってしまったことは不本意だった。 「体調、悪化したの?」 作った笑顔。白々しい言葉。 「ホテル」 目の前の建物を見上げる、冷めた瞳。 「誰と一緒だったの?」 優しくて甘いのに、いつもより少し低い声。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!