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――――…
暇つぶしでもしてこようかな。
そう思いつき、ポーチと携帯を手に持って席を立ったところだった。
「雛森さーんっ、トイレ?ついでに生3つ追加してきて!」
「……」
いい具合にお酒が入った陽気な声に呼び止められる。
『トイレ?』なんて、こんな公衆の面前で大声で尋ねるデリカシーの無さに呆れ、指を3本立ててご機嫌の佐藤くんを振り返り
「……はい」
無表情で答えた。
私の右隣にいた筈の佐藤くんは、最初こそ気を使って部長の相手なんてしていたものの、お酒が入るにつれて席をあちらこちらへと移動させ、最終的に飯山さんの隣に落ち着いていた。
「よろしくねー」と手を振る横では、『すみませんすみません』と私に向かって頭を下げる飯山さんの姿。
「……」
あんな手のかかる人に好かれた彼女も大変だと思う。
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