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「お先に~~~~」
七美がお風呂から出て来た。
「あっ、ゆつちゃんだけコーヒー飲んでる」
「あら、七美も飲む?」
お母さんが席を立ち上がろうとする。
「暑いからいい。それよりもビールの方がいいや」
「もう飲み過ぎだよ」
「だってぇ~~」
七美は子供みたいに口を尖らせた。
「あのなぁ七美」
七美の父親が口をはさむ。
「何?」
「今、ゆつきさんに色々話を聞いてたんだけど」
「え? 何の?」
「オマエとゆつきさんのこと」
「私とゆつちゃんの?」
「うん。少し前からお母さんと色々話してたんだけど、お父さんたちは女の子同士の恋愛を認めてやろうって」
「え?」
「オマエとゆつきさんは、そう言う関係なんだろ」
「う、うん」
七美が頷いた。
「オマエが女の子にしか興味がないことは前から分かってたんだ。そんなオマエが最近いつも嬉しそうにしているから、だからゆつきさんと会って色々話してみたかったんだ」
「そう……」
「それで、ゆつきさんならオマエを任せても安心だと、お父さんとお母さんはそう思った。だからオマエらのことを応援するから」
「あ、有難う」
七美は驚いた顔をした後、ポロポロ涙をこぼした。
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