自由度高すぎぃ!

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 三十数分街中を散策した結果、成果はゼロ。  クエストのクの字も見かけなかった。 「ひどい……、ひどすぎる……」  あまりにも膨大すぎる散策場所に、もはや探す気力も湧かない。  僕は大通りの真ん中で、文字通りに立ち尽くしていた。  この街広すぎだろ、と当初は思ったが、いざ中に入ってみるとそうでもなかった。  話しかけられる人数も、侵入できる場所も、外観から想定された途轍もないものではなく、探せる場所そのもので言えば、極限られた空間へと縮小していたのである。  本当の街とは違って全貌が限定されている。そのあたりは、やはり真っ当にゲームといったところか。そんなところに時間をかけさせるようでは、ゲームとしての楽しさに欠けるからな。  それが目を曇らせた。  街の縮小は、幾分か、やる気にも繋がりはした。  繋がりはしたのだ。  その点に関してだけは、とても嬉しかった。  話しかけられる相手、探せる場所、行けるマップが、これまで僕がやってきたどのMMOよりダンチで多いことを除けば。  僕が見ただけでもうろついただけでも十以上。  この感じでこの広さなら、おそらくマップ数だけで五十は下らないだろう。  これだけマップをたくさん作ってどうしようというんだ。  しばらくして、街の地図を売っている人間を発見して買ってみると、やはりマップの数が尋常ではなかった。細々(こまごま)と複雑に入り組んだマップ表示が、迷路のように張り巡らされており、より一層の落胆を生むだけの結果となった。  しかしそこでやっとワープ装置の存在に気付き、いくつかの場所はそれで簡単に移動できることが分かった。さらにこの王都は大きく四つの区画にわけられており、僕のいた区画は、新規のプレイヤー達が軒を連ねる予定の、国が新たに整備したスペースであったことも判明した。  道理でお店も話しかけられそうな相手もいないわけだよ。  そういうことは先に言ってほしいぜ……。  しかし、他の区画に訪れた時、合点がいった。  五十以上のマップは必要だと。  専門店が豊富なのである。  このゲームが始まったとき、すべてのプレイヤーは無職だ。  したがってプレイヤーは、ゲームを進めながら何らかの職業に就くことになる。
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