第7章

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「ああ、それでは髪を傷めてしまう」 そう言うと海斗は急に席を立った。 「え?!」 栞は目が覚めたようにびくんとした。 「タオルを貸して。髪の毛はもっと優しく扱わないと」 そう言われた栞は、自分がタオルで髪の毛をごしごしとこすって乾かそうとしていたことに気がついた。 美容雑誌に髪をこするのはよくないと再三書かれているのに、小さいころからの癖なのでなかなか抜けない。 普段の生活習慣がこんなこところに出てしまうなんて、恥ずかしい。 固まってしまった栞の背後に立った海斗は、手慣れた様子で長い髪をタオルで包んだ。 タオルごと手で握りながら、軽く引っ張る。 または、タオルで髪を挟み込みぽんぽんと叩く。 優しさが頭皮にまで染みわたるような、快いリズム。
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