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「あー、そういえば。そろそろ行かなくちゃいけないんじゃないの?」
「え、なに。」
「なにって。会議だよ、かいぎー。」
「あっ。」
そうだった、忘れてた。
悠の言葉に急ぎ時計を確認してみれば、分針は12の左隣である11に。
「あっ、やばい。」
「ほんとだねー、やばいねー。」
「いや、君もヤバいのは一緒のはずなんだけど。」
なんで君はそんな余裕なわけ。
心のなかで思ったことが顔にでてしまっていたのか、悠は俺の顔を一瞥すると、その細い眉を寄せ表情豊かに言って見せた。
「あぁ、なんか今日会長熱出しちゃったみたいでさ。」
「ねつ?」
「うん。朝、親衛隊の子が教えてくれたんだけど。......まぁ、そんな高くないみたいだし、大丈夫じゃないのー? こんな大事な時期に俺様何様生徒会長に倒れられたら、僕生きていけないしっ。」
「へー。」
あの会長が熱ね。
「あれ。桜庭くん、どうかした?」
「え? なにが。」
「いえいえ。ただ、美しく麗しい桜庭様のお顔にいけないシワがよってますわよ! ってね。」
「え、なに。一体なんのモノまねなの?」
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