ep3『犬猿の仲という言葉がぴったりなふたり』

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「はっ。なんだ、貴様。猫舌なのか? あの生徒会長様がコーヒーもろくに飲めない猫舌なんてな。」 「うっせぇよ。カスが。」 「なんだ、貴様。いつも生徒会室で飲むときは、息を吹きかけて冷まして飲んでいるのか? はっ、それはさも見物だろうな。天下の生徒会長様がふーふーとは。」 先程、やられた分の腹いせか。 いつにも増して、会長を攻める言葉の数々にいい気はしない。 「ふっ。黙りか。まぁ、いいんじゃないか。猫舌というのは、なんの罪にもならないんだからな。」 なぜか、反論しない会長にも腹がたつ。 あぁ、いや。違う。 本当のことだから反論できないのか。 会長もきっと、自分の猫舌をいい風には思っていないから。 冬至が言っているようなことを、会長も自分で思っているのかもしれない。
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