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「だいたい貴様は......」
「あっ......!」
そう、自分勝手な想像を繰り広げると、冬至を睨み付けるその横顔に、あるはずもないものを発見したような気になって。
「どうしたんだ。桜庭。」
会長に向けられていた視線がそれる。
「冬至っ! 俺、昨日準備室に書類置き忘れたかも!」
「なんだと? なんの書類だ?」
「分かんない。でも多分すごい大切な書類だと思う。」
「あ? このバカっ! 貴様なにやってるんだ。今から探しにいくぞ。」
「うん。行く行く。」
相手をバカにするような笑顔から一転、真面目な顔になり風紀室を出ていった冬至を追いかけ、ドアの方へ向かう。
いまだソファーの横に突っ立ったままの会長へ、できる限り普通の声色で声をかけた。
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