prologue

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この箱庭には、王様がいる。 美しく、強く、それでいて俺様な、孤高の存在。 誰にも媚びることをせず、屈することもない選ばれし者。 常に前だけを見据え、冷静沈着に物事を進めていくみなの頂点。 ーー王様。 そう、みなが口を揃えて呼ぶ彼が、涙を流すことはあるのだろうか。 もしあるのならば、それはきっと。 酷く綺麗で儚いのだろう、と。 眠りにつく前の俺は、そんなことを考えていたのかもしれない。
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