※とある購買店員の心中

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*** 「いらっしゃいませー。」 ゆっくりと開いていく自動ドアと同じに、知り合いに習った事務用語をそのまま口にする。 自然と目線がいったその先には、すでに見慣れた、だがここに来るまでは見たこともなかった異様とも言える光景。 「ーーあ、ねぇねぇ。聞いた? 今日会長様が熱出されたらしいよ。風邪だって。」 「.......うん。心配だよね。酷くないならいいんだけど。」 「大丈夫だって! 会長様ならきっと1日で治しちゃうよっ!」 性別、女子よりも可愛いかもしれない顔を赤く染め、興奮気みに声を上げる性別も男であるはずの少年たち。その会話にきゃぴきゃぴと可愛らしい効果音が付いているように見えるのは幻覚か。 あの辺りだけ、お花畑にでもなったようなピンク色だ。
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