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「ん......。」
ねむい。
瞼を閉じていても、強い日差しが眼をやいているのがわかる。昨日は深夜に目が覚めてから、よいよ眠ることができなかった。
それだけ、あの時みたあの夢が、俺の精神に影響を及ぼしているということなのだろうか。
ーー信じられないものを見た。
今の心境から言うと、その言葉が一番しっくりくるかもしれない。
「あー。だるいなぁ。」
徐々に騒がしくなっていく寮内の様子に耳を澄ましながら、そう呟いてしまう。
だが、そうぼやいてみたところで、俺の過ごすべき日常が変わらないことも知っている。
特別、何か不満があるわけではないこの日常。
適度に、丁寧に。
手を抜いて生きる人生は、俺に合っているようで悪くない。
そう、悪くないのだ。
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