ep1『泡沫の夢』

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「ん......。」 ねむい。 瞼を閉じていても、強い日差しが眼をやいているのがわかる。昨日は深夜に目が覚めてから、よいよ眠ることができなかった。 それだけ、あの時みたあの夢が、俺の精神に影響を及ぼしているということなのだろうか。 ーー信じられないものを見た。 今の心境から言うと、その言葉が一番しっくりくるかもしれない。 「あー。だるいなぁ。」 徐々に騒がしくなっていく寮内の様子に耳を澄ましながら、そう呟いてしまう。 だが、そうぼやいてみたところで、俺の過ごすべき日常が変わらないことも知っている。 特別、何か不満があるわけではないこの日常。 適度に、丁寧に。 手を抜いて生きる人生は、俺に合っているようで悪くない。 そう、悪くないのだ。
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