第3章 人チガイデス

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「連絡先教えてくれよ。いろは。 ちゃんと話がしたいんだ」 本当なぜに、いまさら? 不可解なものをみるように理玖を見上げる。 真っ直ぐ見下ろしてくる切れ長の真剣な目に少し蹴落とされて、視線を逸らした。 「すみません。本当に私、いろはなんて名前では……」 「篠原さん!おはようございます!」 「…………」 「…………」 タイミング悪いな高原くんよ。名前呼ぶなよ、せめて。 苦い顔で振り返る。 にこにこと今日も邪気のない笑顔の後輩は、私の横に並ぶと理玖に気づいてペコリと頭を下げた。 ようやく仕事の遅いエレベーターが到着する。 そそくさと中に乗り込むと、理玖と高原くんが私を挟んで両側に立った。
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