第4章 野良猫にミルク

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「で、誰が人違いだって?」 10階で一緒に降りてきた男の視線が痛い。 なんで8年ぶりの再会がこんな感じなんだろ。 もっとちゃんと化粧してるときにしてくれよ。昨日とかさ。 「……今さら、何かご用デスカニ?」 あ、デスカニとか言ったった。まあ、どうでもいいか。疲れてんだな私。 「はあ?今さらってなんだよ。 俺は8年お前を探してたし」 なんと、8年も!? なんちゅう無駄な時間を過ごしたんだこの人! ……なわけないか。 8年も本気で探してたら、もっと早く会えてるだろうよ。 私の住んでる街はあんたが住んでた街の思いっきり隣だしね。自転車で行ける範囲だっつうの。
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