第4章 野良猫にミルク

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思い起こせば、この木月理玖と言う男は勝手なヤツだった。 彼とは大学2年の時、とある飲み会で知り合った。 ボサボサ頭で分厚い眼鏡の理玖を女の子たちはみんな敬遠してたから、唯一私が話し相手になってやったのが始まりだ。 なんでも、金欠でご飯もまともに食べてない彼を心配して、友達が無理矢理飲み会に連れてきたらしい。 タダ飯を食べに来たのだと、理玖は高らかに宣言し、ひょろひょろの身体のくせに良く食べ良く飲んだ。 結果、彼は吐いた。 せっかく胃に納めたのに、と泣きながら吐いて酩酊した。
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