第4章 野良猫にミルク

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しかしながら、この吐瀉物のついた顔はいただけない。 朝には固まるだろうけど、このまま廊下に垂れてもイヤだ。 仕方なくホットタオルを作り酔っぱらいの顔をそっと拭う。 んーって唸りながらも起きる気配のない彼の顔から邪魔な眼鏡も外すと、 「……あら」 意外と端正な素顔がお目見えした。 通った鼻に形のいい唇。切れ長の閉じた目とシャープな顎。 このボサボサの髪を整えて、もうちょっと筋肉つければ、さぞやいい男の出来上がりだろう。 これが宝の持ち腐れってヤツか。勿体ない。
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