第4章 野良猫にミルク

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「じゃあ、どうも」 「え?」 あんまりあっさり帰ろうとするのでびっくりした。 普通、なんか一言あるもんじゃないの? 昨日は世話になったとか。ありがとうとか。 いや、最悪、酒で記憶がないなら ここはどこ?あなたはだれ?とか。なんか会話すべき場面だと思うんだけど。今。 「……何か用?」 「え?いや、何か用ってワケではないんですが」 「あっそう」 いまいち礼儀のなっていないモサメンがさっそく背中を見せ、ドアノブに手をかける。 ぐりゅゅゅゆ。 「………」 「………」 途端に玄関に響き渡った爆音に、ああ、これお腹の音なんだとようやく気づいた。 あんまりデカイ音なんで、なにかと思ったよ。
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