第4章 野良猫にミルク

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ぐりゅゅゅゆ。 「……あの。お腹すいてるんですか?」 主張の激しい腹の虫を聞きながら、そう尋ねると、木月さんは苦い顔で頷いた。 「…昨日食べたもの全部吐いたから」 なんだ。この人酔った後の記憶、しっかりあるんじゃん。 じゃあ、とっとと帰ろうとしたのは、昨日の自分の失態が気まずいからか? 困ったからとりあえず逃げだすなんて、20歳の大人としてどうかと思うけど まあ、責めてやるまい。きっとこの人は謝りかたをしらないのだ。 コミュニケーション能力低そうだし。 ぐりゅゅゅゆ。 「木月さん」 ドアを開けようとして鍵に阻まれてるモサメンを再度呼び止める。 「まだなにか?」 思いっきり迷惑そうに振り返った彼に、 「朝ご飯食べていきます?」 ニッコリ笑顔でそう尋ねると、彼はポカンと間抜けな顔で私を見つめた。
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