第4章 野良猫にミルク

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あの時の私は、多分、痩せ細った野良猫にミルクをあげたくなるのと同じような感覚でものを言ってたんだとおもう。 だってあんな腹の音なかなか聞けるもんじゃないし。 しかし、あの日をきっかけにして、私は度々彼に食物を与える人になった。 そして、いつの間にか彼は私の家を訪れるようになり、いつの間にかうちに住み着いていた。 餌付けに成功した飼い主みたいな構図だが、そこから2年近く私達は同棲した。 でも野良猫はしょせん野良猫。 結局、完全になつくことはなく。 理玖はある日を境にほとんど家に帰って来なくなった。
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