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私を見つけた理玖の動きが止まる。
「……誰だ?いろは」
みるみる温度を下げた理玖の目が、葵くんの伸ばされた手を凝視してる。
葵くんの手は私に触れるか触れない距離でストップしていて、微動だにしないままだ。
もともと良くもない理玖の人相が、ますます悪くなったのを感じて、私は背中に冷や汗をかいた。
あ、ヤバい、かも?
うちに来てからずっと愛想良かったからうっかり失念してたけど、
そう言えばこの人、基本的に人見知りでコミュ障なんだった。
「へぇ?いろはの婚約者さん?」
そして、唇を歪めて性格悪げに笑う葵くんはちょっとアレな俺様タイプだ。
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