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「日南鶏?」
「うん。宮崎のブランド鶏だよ。ビタミンEが豊富で、臭みが少なくて……」
貧乏舌の理玖に九州のうまいもの自慢をしていると、ひょいっと皿の中から、からあげをひとつ取り上げた葵くんが、それを口の中に放り込んだ。
「……ふぅん。いろはのからあげの味は変わんねぇな。
俺に弁当作って来てた時も、他のはいまいちやったけど、からあげだけは逸品やったもんな」
「……弁当?」
葵くんの言葉にピクリと理玖が反応する。
や、やめて葵くん!
なんかややこしくなってるから!
「む、昔だよ。昔!
葵くんのお母さんが具合悪いときに何回か作っただけだよ」
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