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高校1年の秋に葵くんママが1ヶ月ほど入院したことがあった。
同じ県立高校に通っていた葵くんが毎日パンとかコンビニ弁当なのが不憫で、私は一週間くらいお弁当を作って持っていったのだ。
まだ、料理は得意じゃなかった時期だから、結構悪戦苦闘したけど。
それなりに体裁を整えた弁当を見た葵くんは
「へったくそ。
こんな不味そうなの、教室じゃ食えねーし」
と舌打ちして、私は首根っこをつかまれ、屋上に連行された。
「毎日、ここに弁当持ってこい」
偉そうにそう言って、ペロリとお弁当を平らげた葵くんは壁にもたれて昼寝して。
スースー寝息をたてながら、私の肩に寄りかかってくる彼に苦しいくらいに胸がドキドキしてた。
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