8818人が本棚に入れています
本棚に追加
それから一週間、
「お前、からあげだけはめちゃくちゃ旨いな」
なんて、誉められてんだかケナされてんだか分かんない葵くんの言葉にホイホイのせられて、私は毎日バカみたいに、からあげをあげていた。
昼休みだけ、ちょっとした恋人気分を味わえることに浮かれきっていたけれど
「篠原さんさ、幼なじみだからって葵くんにちょっかいかけるの、もうやめてくれん?」
地味女の性なのか、お約束のように綺麗な女の子の集団に取り囲まれてしまった。
「お弁当は真美が作るから、あんたのはもう必要ないけん」
散々悪口言って、お弁当をゴミ箱にばらまいて、彼女たちは立ち去っていって。
それからすぐに、葵くんは学校のアイドルである棚橋真美ちゃんと付き合いだした。
最初のコメントを投稿しよう!