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そんな2人の後ろを、複雑な表情をした理玖が続いた。
……なんだかなー。
ハアッと重いため息をついて和室に入る。
理玖が取りやすいように、彼の隣に膝をついて、からあげの皿を机の上に置いていると右隣に座る拓斗がチラチラと葵くんを見ながら耳打ちしてきた。
「姉ちゃん。今カレと元カレを同席させるとか。なかなか、やるやん」
「………昔っから、あおくんは単なる幼なじみだって言ってんでしょ。バカタク」
ぎゅうぎゅう拓斗の頬っぺたをつねりあげる。
「イデデデデ。なんだよ姉ちゃん。なにキレてんだよ」
「理玖が誤解することは言わないで」
無神経な拓斗に苛立ちながら左隣の理玖をこっそり伺う。
私たちの会話が聞こえたかはわからないけど、理玖は葵くんが持ってきたお酒をお父さんにすすめられ、笑顔を浮かべながらコップに口をつけた。
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