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そりゃあ、まぁ。
そんなふうに言われたら。
妄想して、浮かれちゃうよ。
楽しい笑いの中で、電話は充電切れになってしまい途中でやむ無く終了。
しばらくして、彼氏からのメール。
「振り込みの件、宜しくね」
それか。
「了解しました☆」
とか、送りつつも溜め息が出た。
「はぁ~っ…」
私は仕事の休憩時間をずらして、休憩時間内で、あらかじめ引き出しておいた現金27万を持って、指定された銀行へと向かった。
何やってんだろう…。
何度も何度も思った。
仕事中も、自分が同棲する部屋の頭金を、全額支払うだなんて口が裂けても誰にも言えなくて。
しかも、私の働いた3ヶ月間のお給料が、もうすぐ私の元から消えて無くなるのかと思うと。
嫌な事ばかりある仕事の中で、血眼になって働いて耐えてきた自分を思い出したら。
自転車をこぎながら、銀行に着く手前で涙が出た。
自分の幸せのためなのに。
何故か悔しいだなんて。
変な涙が出た。
男に生まれてきてたら、もっと嫌かも。
好きな人のためだからって、お金と無償の愛を与えなくてはいけないんだもの。
しかも結婚したら一生…。
ちまちまプレゼントだなんて、贅沢言うんじゃねぇよ、バーロー!
とか、そりゃあ思うかもね。
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