4☆もう止まれない…

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涙を拭いながら銀行の中へと。 ドスッ… ぶつかった相手は、こないだも居た若い警備員の男。 「すっ、すいませんっ…」 私とした事が、ついつい涙に気を取られていた。 泣いている場合じゃないってば。 休憩時間を割いて、銀行に来てるんだから、さっさと給料3ヶ月分をATMにブッ込んで帰らなきゃ。 警備員は私の忙しい態度に、何か言いたそうな感じで見ている。 いやーねー! 全然あやしくないのに、ジロジロと不審者みたいな目付きで、見て来ないでよ。 私は27万の入った封筒を握り締めながら、順番を待った。 ってかさぁー…。 あんなに見られてると、身体が震えちゃうんですけど。 あやしくないのに、騙しても騙されてもいないのに、挙動不審になっちゃうよ。 一回目。 訳が分かんなくなって、訂正しつつ、取り消し。 二回目。 焦って手数料の小銭入れるの忘れた。 三回目。 「すいませんが、どちらかに振り込みされるんですか?」 後ろから声がした。 振り返ったら、警備員。 「そっ、そうですけど」 何? 親切ぶって、俺俺詐欺かなんかだと思って私を疑ってるのね?! 違いますから!!
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