2☆同棲仮契約

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12月に入って、更に二人の距離は縮まった。 「愛してる」 そう言われて、久しぶりに心がポッ。 そして寒くて、寄り添って歩くと身体が温まるから。 そのまま、ホテルで一泊したりして、帰宅する事も増えた。 彼は自分で、 「僕はねぇ、どうも昔からドンクサイ。って家族に言われてて。本当に申し訳ない」 そう言われて、ホテル代を私は払ったりもしていた。 話す内容も、以前よりも少しだけ深い話になっていく。 「トシコさんは何人兄弟?お家は一軒家?持ち家?ご両親は働いてるの?」 もぉ、そんなに私の事、知りたいの? 私は嬉しくて素直に答える。 「うん、ご先祖様の土地でね、家を建てたから持ち家なんだよ。お父さんはもう定年してアルバイト。お母さんは専業主婦なの。弟は夜勤の仕事してる。だからね、私が家でゴロゴロしてると、すっごく不機嫌に怒ってくるのよ?」 「そうなの?だから早く家を出たいんだね?」 「そうそう。家に居づらくて。あなたは何人兄弟なの?お家は一軒家?マンション?」 私も同じ質問をしたが、 「いや、うちは普通の家庭だよ」 「普通?」 「そう、極々平凡で普通」 ってか、家もそうなんだけど。
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