9日目―次なる始まりの時―

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何が起こったのか分からず、わたしは目を見張った。 わたしの頭上、扉の上の方に向けられた女の子の視線を辿ろうと振り返った。 恐る恐る、目線を上へとずらしていく。 『いやあああぁぁぁああぁあっっ!!!!!』 声を押し殺したわたしの後方で、突然に響き渡った悲鳴に驚いて振り返る。 その瞬間---- 《…見ーつけた……》 ドアの方向から、地を這うように低く恐ろしい声が小さく聞こえた。 「!!!!!」 同時に視界は大きく渦巻き、目の前の女の子の恐怖に満ちた顔が歪んでいく。 すぐに、女の子が歪んだのではなくわたしの視界が歪んでいる事に気づいた。 奇妙にもいびつに回る景色が最後の光景で、わたしの意識は遠のいていった。 『…許して、サキ…』
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