1日目―あなたから始まります―

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リョウスケの家のマンションの下に自転車を止め、エントランスを抜けてエレベーターを待つ。 10・9・8…… どうやら最上階に停まっていたようだ。 ミーンミーンと蝉の声が聞こえる。 ぼーっと聞き入っていると、気づけばエレベーターは1階に到着していた。 乗り込むと、リョウスケの家である7階を押した。 7階で降りて、1番左端の部屋がリョウスケの家だ。 オレはインターフォンも押さずに、いきなりドアを開けて中に入った。 「うぃーす」 「おう、入れよー」 リョウスケの家は、両親ともに多忙で滅多に帰ってこない。1人息子であるリョウスケしか居ないことがほとんどだ。 おかげで、俺たちの都合のいいたまり場になっている訳だ。
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