14日目―怪談バトンの意味―

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思いも寄らなかったコウヘイさんの言葉に、オレは一瞬息を飲んだ。 確かにコウヘイさんは、自分の家だとかそう言う事は一言も言っていない。 勝手に勘違いしていただけなんだけど、多分ミナトもルカもそう思っていただろう。 「ここはねぇ、今は空き家なんだよ。サキが死んだ後、お母さんも自殺しちゃってね。お父さんはサキが生まれてすぐに亡くなってるし」 コウヘイさんはそう言いながら、廊下を進むと奥にある階段を登っていく。 ジメットした空気が肌に纏わり付き、やたらと不快だった。 2階まで登ると、手前の部屋に入る。 そこはリビングとキッチンになっているようで、大きめの机と椅子が置かれてある。 カーテンが閉め切っていて薄暗く、何年も人が生活した気配のないそこは得も知れない不気味さがそこはかとなく存在していた。 コウヘイさんは椅子に腰掛けると、ゆっくりと口を開く。 「何から話そうか……まずねぇ、松田家の話からしよう」
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