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廃墟となったメリーゴーランド。その前に立ち尽くす転校生を見つけた。 …どことなく、様子が可笑しい。親衛隊の姿も見られない。 ……そんな、間に、あわなかった…? 最悪な結果を想像しようと、した、 「…あー…疲れた……」 落ち着いた、声。 それは、いつもの彼ではなくて。 「はぁ…面倒だな…どうして俺がこんなこと…」 ここには、彼以外、いない。 でも、声が、態度が、 「……ま、"愛されるため"だもんな…」 ちが、 『………っ、…あぶないなぁ…』 揺れないでよ、この程度のことで。 アイツの考えなんて、どうでもいい。 アイツが、したことは何も変わらないんだから。 『…まぁ、正しくはアイツの''周り"だけどね』 でも、狂わせたのはアイツだ。 俺を貶め、殺したアイツ。 『ふふっ…そろそろ親衛隊が、くる』 俺の時の様に、皆を再起不能にするのかな? 『…でもその前に、俺が、』 「ちゃんと来てたみたいだね!!」  「そこだけは褒めてあげる!」 親衛隊の子達が、3人。 …これは…生徒会の親衛隊だね。見覚えがある。 「お前らなんなんだよ!!こんな所に呼び出して!!」 ……アイツも、通常モードに戻ったみたいだ。 いつも通り、喧しく騒ぎ立てる。 「あんた!会長様たちに近づきすぎなの!!」 「そーだよ!!お前のせいで、あの方達がこわれてきてるの!!」 「生徒会の皆様は、あんな、責任を放棄するようなことは絶対にしなかった!!」 ……わ、親衛隊はちゃんと見てるねぇ…流石、親衛隊? いや、まぁ…新入生歓迎会の準備の段階でなんとなくは分かるか。 「飛鳥たちは何も変わってない!!みんなが俺の友だちに押し付けすぎなんだ!!!」 「俺の、友だち…だって…?」 親衛隊から、心地よい、怒りの感情がふつふつと沸き上がってくる。
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