08

11/12
1234人が本棚に入れています
本棚に追加
/188ページ
「僕らは!あの方達の害になる連中を近づけたくないの!!」 「お前の存在は、生徒会の皆様の害にしかならない!!」 「っ…現に、時雨様が…っ!!」 堪えた様に溢す声。 ………時雨は、俺だけど…俺がやらなくても遠からず、同じことになってた。 あのタイミングの方が、他の役員にも効果的だと思ったし。事実、完全にではないにしろ、役員は戻ってきた。 だから俺は気にしてないけど、……気にしてるんだよね、多分。 だから、近づかないし、手伝わせない。 ……ま、進行速度は上がったから、俺としては万々歳かな。 まだ、互いに言い争っている。 ついに、親衛隊がしびれを切らしたのか、 「………みんな!やっちゃって!!!」 その声を合図に、どこに隠れていたのか、ぞろぞろとガタイのいい男が出てくる。 …ざっと見て、5人。 『うーん…この程度じゃあ、負けちゃうなぁ…』 痛めつけて欲しかったのに。 たかだか5人じゃ、多分アイツの相手は無理だ。 『…まだ、殺したくはなかったんだけど…』 まだ、全く苦しませてないのに、死なれるのは残念だけど…こっちも怪我人出させる訳にいかないし、ね……、……あぁ、そっか。俺にも影響があるのか。 復讐に忠実になってくれるのはいいんだけど、この甘さも一緒についてくるとか…… 『……ふふっ…』 ーーードォン…ッ…!!! 「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!メリーゴーランドが!!?」 「ちょ、あんた逃げて!!!たおれ…!!」 『…我ながら、嫌になるなぁ…』 そんな、当たらないところの遊具を破壊するなんて。 支柱が折れた馬は、誰も居ない、いや正確には、転校生に当たるギリギリに倒れた。 ……おかえり、俺。 残念がるとか、近づきすぎだな。…もう1度、飛び降りたら…… 『…駄目だな…』 どこまでの記憶がトブのか、分からない。 『……はぁ…』 自殺なんてした俺に、ひかりがないのはしってる、しってるけど、…… 『……酷すぎやしませんかね…』 誰もまだ、殺してないのに。 うわ、危ない思考。 ま、この白けた雰囲気の中、流石に制裁を続ける気はないようで、退散していく親衛隊の子達。 親衛隊の子達も、一応転校生のこと心配してたし…潰す気まではなかった良い子達だった。 ……悪い子は、俺だけかな。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!