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…さて、俺もそろそろ移動しないと、騒ぎを聞きつけた誰かがやってきそうだ。…まぁ、俺のことなんて見えないだろうけど。万が一ってこともある。
えっと…確か、転校生はこっちの方向に行ったはず…
やることも今は特にないので、転校生のストーカーをする。
…転校生……さっきのことなんて、朧げにしか覚えてない。何かあったってことくらいしか残ってない。…っはは、ついさっきのことなのに。
なんて、幽霊の頭は都合良くできてるもんなんだろうか。
ーー怨みを、忘れるな
そう言っているように聞こえるのは俺だけか。
都合の悪いことだけ記憶をトバして、
対象への怨みを消させないように、
『……これって最早、呪いだと思うんだよなぁ…』
ま、俺の存在自体が呪いか。
というか、消すなら完全に消してくれればいいのに…まったく、融通のきかないカラダだ。こんな微妙に残ってるなんて、転校生が、実は、……
『…………………なんだっけ』
ま、いっか。忘れたんならそんなに大したことじゃないんだろ。
えっと、…あぁ、そうだ。転校生のストーカーをしようと思ったんだ。これで転校生の弱みでも…あるのか?
『……なさそうだな』
自分のテキトーさに少し笑って。
転校生の後を追い掛ける。
頭の片隅で、
"俺"は甘いから、丁度いいでしょ…?
なんて声が、聞こえた気がした。
ーーーあいされたいのに、なんで、みんな、
だれかが、ないていた
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