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今日は、皆が待ちに待っていただろう、新入生歓迎会の景品であるデートの日だ。 カップルではなくとも、遊園地に行けるのだ。友達同士でも問題なく楽しめるであろう。 さて、ここは生徒会と、その彼等を捕まえた者達のバスだ。 これから遊園地ということで、はしゃいでいる生徒もいるが、皆緊張しているようで、会話はない。 「飛鳥ー!!たのしみだな!!!」 「そうだな!結衣!」 ……訂正、"皆"ではなかった。 最近この学園に来た生徒と、その生徒を捕まえた生徒会長だけは、楽しそうに話していた。…確か、生徒会は逃げる側だった筈だが…気にしてはいけない。 書記の隣には、いたって平凡な子が1人。転校生の方を向いたり、書記を見たり。兎に角忙しい子だった。 そんなわたわたしている子を書記は無表情に、でもどこか笑んでいる雰囲気で見ていた。 「ね、ねぇ、しーちゃん!大丈夫?具合悪くなったら直ぐに言ってね!」 「……………もう既に悪いけど?具合…というか、気分だけど」 …………問題は、この2人だった。副会長と、会計のペアである。 以前倒れたことを心配する会計ーー柚稀だったが、副会長ーー時雨は、転校生と同じ空間にいるだけで、もうストレスだった。 「あ、あはは…それはもう仕方ないかな~…」 転校生の声に比例するように、時雨の眉間のシワが深くなっていく。 柚稀は、そんな時雨に苦笑するしかない。 「………………。」 ますます深くなった。
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