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…なぁ…なんでだよ…お前ら…
『最低です。もう私達の前に姿を現さないでください』
…俺が何をしたって言うんだよ…!?
『いい加減にしてよね~八つ当たりもいいとこ~』
…おれがなにかしたならあやまるから…
『……さ、…いて…』
…………おねがい、だから…
『聞いた?会長の噂!!』
『あ!それ知ってる!生徒会の仕事もしないでセフレと遊びまくってるってやつでしょ!?』
『…俺、会長の事は尊敬してたのに…最低だな』
………………ひとりに、しないで……!!
かつて、この学園の頂点に圧倒的支持を得て君臨していた彼は、いつしか嫌われ、孤立していた。
何故こうなったのかは分からない。
これが物語…誰かに創られた、ハッピーエンドで終わる話だったら彼にも理解者、そういった者達もいたかも知れない。
しかし、彼には誰もいなかったのだ。信頼していた教師、友人、仲間…―そして、幼馴染み。その全てに裏切られた彼にはもう何も残されていなかった。
最早、己が存在する意味さえも。
いや、少し語弊があった。『何も』残されていなかった訳ではなかった。信じてくれなかった彼等に嘆き哀しみ、絶望した心を。嫌悪は憎悪を呼び、怨嗟の声を募らせた心を。彼は持っていた。
それらを胸に抱き、彼は学園の屋上から身を投げた。
しかし、怨みに身を投じてしまった彼は極楽浄土になど逝けず、延々と学園に縛り付けられたのだった。
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