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「……僕、新入生で、…その…道に迷ってしまって…」 「あぁ…」 …やっぱりか… 道に迷った挙げ句、強姦されかかった、と…災難だな。なんと運のない…。 思わず憐れみの視線を投げてしまった。 「あの…?」 宮野君に声を掛けられてハッと気が付く。見ると宮野君の頭を撫でていた。無意識コワイ。 「……さて、風紀室に行こうか」 一つ、咳払いをして話題を変えた。俺は平気だが、いつまでもこんな寒い所に宮野君をおいては駄目だ…と言う思考からの判断だ。 先程の事も報告しなければならないし。俺が実体化しているのだからあいつらの事をさらっと、まるっと風紀に告発してやる。自発的に…なんて待ってやる必要はない。 「…………………。」 「大丈夫、俺も一緒に行くから。それでも不安なら、この俺が手を繋いであげよう!」 ビクリと肩を震わせて俯いてしまった宮野君をなるべく安心させられる様に少し戯けた風に言う。 差し出した手を宮野君が恐る恐る握った。ぎゅっと握り返す。俯いていた顔をゆっくりあげた。 「さぁ、行こっか」 コクリと頷いた宮野君と共に歩き始めた。
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