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…えっ、と…?
耳を疑う様な返事が聞こえてきた。‘…結城さん、も’…?
藻?<も>って何だっけ?あれぇ?
「……結城さん…?」
…はっ!
宮野君の呼び掛けで現実逃避していた思考が戻ってきた。
危なく‘も’に埋もれてゲシュタルト崩壊するところだった。………じゃなくて!
「……宮野君、も、なの?」
「いえ、僕じゃなくて、友人が似た様な事を言ってたので」
正直、結城さんが言うまで僕も半信半疑でした。
と、宮野君は苦笑いで続けた。
…宮野君の友人君ェ……友人君が何を誤魔化したのか凄く気になるが、おかげで助かった。心の底から感謝する。
「そ、そうなんだ~…俺と趣味が合いそうだな~…」
すみません、そんな趣味はありません。
乾いた返事しか返せないのは許して欲しい。俺も一杯、一杯なんだ。
そうこう話している間に風紀室に着いたようだ。
「…入るよ、宮野君」
再び表情が固くなったまま頷いた宮野君の手をギュッと握り締めた。ノックをして扉を開ける。
「失礼します」
まず俺が最初に入り、宮野君も中に入れた後、後ろ手で扉を閉めた。
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