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「宮野、そいつに何処まで話した?」
委員長は俺には意味が全く理解出来ない質問を宮野君に問いかけた。
てか、そいつって………俺は一応君の年上なんだけど?
委員長の物言いに若干呆れ、言ってもしょうがない事を心の内で吐き出した。理解される筈もない事なのに。
「……いやぁ…その…」
「…何も話してないんだな?」
「……まぁ、…はい」
宮野君の返答に大きく溜め息を吐いた委員長。
本当に何の話なのか全く分からない。
「ねーねー!君の名前はなんていうの?」
再び疑問符を頭に浮かべていると、その言葉と共に背後から腕が伸びてきて俺の頭を抱き締めた。
副委員長……
「…俺は、幽奇 霊といいます」
……有った。名乗る機会…。絶対にないと思ってた…。
再びこの名前を名乗る事が出来て、少し感動していた。
「へぇ~レイ君か~」
………皆各々だなー…。
何故か再び漢字が違う気がした。
もう漢字の変換はご自由に。
「レイ君、レイ君!秋ちゃんはねー風紀委員なんだよ!」
「……………はい?」
「秋ちゃんまだ入学して直ぐなのに襲われてばっかいるから風紀委員になったんだよ!防犯ブザーまで持たせてたのにー」
……ちょ、まっ…
頭の整理が追い付かない…。
確かに風紀委員になれば、罰を恐れて襲われるのも少なくなるだろうけども…宮野君が風紀委員?襲われてばっか?防犯ブザー?
突然のカミングアウトに困惑した。しかし、困惑している俺なんてそっちのけで風紀委員同士の会話が始まる。
「宮野、防犯ブザーはどうした?」
「……すみません、落として壊しました…」
「…………いつ」
「……………貰って直ぐ…」
「………何故それを早く言わない」
「……怒られると思って…」
……理由子供か!
なんだその母親に怒られるのが怖いから黙ってました的な理由は!
宮野君の幼稚な理由にとんでいた思考が戻ってきた。
「……すみません、ちょっと良いですか」
今の間に、纏まった思考を確認する為に風紀委員同士の会話、もとい親子の会話を遮った。
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