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「なんだ?」 宮野君との会話を止めて此方を向いた委員長。一応話は聞いてくれるらしい。 とりあえず、未だ抱き着いたままな副委員長を引き剥がし、委員長に質問をした。 「……えっと、まず、宮野君は風紀委員なんですね?」 「ああ」 「で、宮野君は防犯ブザー壊れてたのに言わなかった事を委員長に知られるのが怖くて風紀室に行くのを渋った…あってる?」 「……はい…すみません…」 「………はぁー…」 一気に脱力した。 風紀室に行きたがらないのはもっと深刻な理由だと思ってた。それだけに脱力感は物凄い。 「…で、結城。顔は覚えているか?」 「……名前も分かります」 一瞬何の事だか分からなかったが、直ぐに理解した。俺がここにきた理由だ。委員長は脈絡が無さすぎる。 「…此方に来てくれ」 「秋ちゃんは僕のお説教だよ。防犯ブザーの事言わなかったからー」 「……はい…」 立ち上がって自分のデスクに戻った委員長に呼ばれる。見ればパソコンを起動させていた。恐らく、生徒情報が写し出されているのだろう。 近くに寄って、パソコンを覗き込む。まだ起動中だった。 「…犯人は3人。2-Bの××と○○。3-Dの△△です」 「……こいつらか?」 「…はい」 起動したパソコンに写し出された3人の顔写真に嫌悪を覚えた。 そして、顔写真と共に写し出された情報に思わず目を疑った。 「…こいつら、3回目、なのか…!?」 「…残念な事にな。全く反省していないな」 どうして、どうして、そんな奴を野放しにしていたんだ。2回目の時点で分かっていただろう?こういう奴等は繰り返すって。どうして退学にならなかった。 「…もうこいつらの処罰は俺には出来ん。理事長に持っていくしか…」 「…そう言う奴等は死んでしまえばいいんだ…」 「?何か言ったか?」 「…いえ、別に」 思わずもれてしまった心の声は小さく、幸いにも委員長の耳には届かなかった。に、してもマズイ。…引き摺られてる… 思考が先程解放した怨霊の性に引き摺られていた。今は実体化もしている。 つまり、負荷が半端じゃない。加えて犯人に殺意も募っている。 「……後は宜しくお願いします…」 「あ、おい!」 これ以上負荷をかけるのは本当に危ない…。八つ当たりだと分かってはいるが、手当たり次第周りにいる人間全てを怨みそうだ。 委員長の返事も聞かず、風紀室を出ていった。
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