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さて、本日は待ちに待ったデートの日。
会場は、何故か、学園敷地内にある遊園地。でもそのお陰で俺も来れたんだけどさ。
あれから、転校生の停学がとけて学園がまた混乱したり、態度が若干変わった役員に時雨が困惑したり、…まぁまぁ面白い日々があった。
…なお、時雨との鬼ごっこは継続中である。
もう怖くて近寄れない。色んな意味で!
「わぁー!!遊園地なんて久しぶりだな!!なぁなぁ飛鳥!あれ乗ろーぜ!!」
転校生は無邪気に、はしゃいでいる。…転校生はいつも無邪気か。悪い意味でも。
それにべったべたに、甘い顔を見せる会長は、もう誰だか分からない。貴方そんなキャラでしたっけー?素なの?それ。こわ…
「ねぇねぇ、しーちゃん、何から乗るー?」
「……隣の煩いのと被んなきゃどれでもいいよ」
今日の時雨はオフモードなようだ。敬語がハズレてる。……俺にも、1度見せてくれた顔だ。
『………気をつけろ、俺…』
また、羨んで、何かを破壊してからでは遅い。それこそ、今俺が座っている観覧車のゴンドラなんか、落ちたらひとたまりもない。
転校生の停学がとけたら出てくる、といった"アイツ"も、今は何の音沙汰無し。それが、今では怖い。次に乗っ取られて、何をしでかすか、分かったもんじゃない。
だから、出来るだけ平常心を心掛けている。
その為にも、時雨を見ないようにしている。
…あれ、なんで時雨を見ると平常心じゃいられなくなるんだ、?
『……ま、いっか』
どうせ、羨むからだろ。その、俺が欲した今いるバショが。
「はやくいこーぜ!飛鳥!!」
「分かった、分かった」
そうナチュラルに手を繋いだ会長に、開いた口がふさがらない。
あ、うん、すごい、さすが、なれてる、
『…はっ!!』
今、言語障害が…
追わなくちゃ、時雨にバレないように!
2人はいきなりジェットコースターに向かっていた。
……会長酔わないかな…あれ多分、初体験だよな…
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