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鳥が見ていたのはばらまかれている木の実だった。
子供たちが落としたのか罠なのか。
鳥は罠かと思い警戒している。
俺は10メートルほどの距離に近づいていた。
これ以上は木の小枝や落ち葉が大量にあて近づけない。
小さく息を吸い込みはかないで止める。
脇をしっかり締め手首を動かして標準を定めるのではなく体ごと動かす。
そして、ゆっくりと引き金を引く。
「クエェエエエ!」
バサバサ!
胸を狙って放たれた矢は、右の翼を打ち抜いた。
痛みのあまりバサバサと暴れている鳥。
翼を打ち抜かれ飛べなくなったようだ。
俺は矢をもう一度セットし、ゆっくりと近づいて行く。
鳥もこちらに気づき這うように逃げようとするが、痛みのせいか上手く動けないでいる。
2メートルほどにまで近付き、今度こそ心臓に矢を撃つ。
1、2、3秒たつと鳥は動かなくなった。
「ッ!!!
よっしゃぁああ!!」
つい嬉しさのあまり大声を上げてしまった。
近くにいたらしいマイサ姉が何事かと走ってきた。
俺はすぐさまクロスボウを隠し、矢を引っこ抜いて代わりにナイフを刺しておく。
「マイクどうしたの!?
って、うわ!?
オオトリだ!」
どうやらこの鳥はオオトリというらしい。
この森に生息する鳥の一匹で、レイン兄とマイサ姉が取った鳥もオオトリだったそうだ。
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