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頭上から降り注ぐ湯が、広樹と男の肌を打つ。耳に響く水音が、シャワーのものなのか、二人が口を寄せ合うことによって生じるものなのか、分からなくなる。
貪る、という表現の通り、角度を変えて何度も舌を、唇を、そして唾液を吸われる。広樹も負けじと、男の唾液を啜り、喉を鳴らして飲み込む。
「ん、ん・・・」
唇を離す頃には、お互いに息が上がっていた。はあ、はあ、という荒い息遣いが、狭い浴室に反響する。ただそれだけなのに、ひどくいやらしく感じた。
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